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昨年の夏、自分の命があと残り少ないことを覚っていた父は、蚊をたたくのもためらって「はかない命だねぇ」とつぶやいた。ひとりに1つずつの命。私も自分の命をだいじにしなくちゃ。いまこの瞬間も、たった1度の時の流れ。そうだ、桜が観に行こう。 この街の、祈りの実り。1年にほんのひと時の、この華やぎのために、この街にもたくさん桜が植わっているのだから。